食通のためのネタ話

ちゃんこ料理って何?

冬の定番料理といえばやはり鍋料理だ。なかでも最近はちゃんこ鍋が大人気。肉や魚、野菜がたっぷり入った栄養満点の鍋料理で、若い女性にも受けている。このちゃんこ鍋が、相撲部屋の代表料理だということはよく知られている。ちゃんこ料理屋の多くが、元力士や相撲関係者によって経営されているのもそのためだ。

 

ところが、実は「ちゃんこ」とは力士がつくる料理の総称で、トンカツでもハンバーグでも力士がつくればみんなちゃんこなのだ。つまりちゃんこ鍋はその中の一メニューにすぎない。
ところで「ちゃんこ」という変わったネーミングだが、これは親方(ちゃん)と弟子(子)が食べることから付いたという説があるが、真相ははっきりしない。
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力士たちの食事は1日二食。稽古の後に食べる最初の食事は、殆どがちゃんこ鍋である。その種類は豊富で、白身魚の場合にはちり鍋にしてポン酢で食べるし、豚肉の場合は味噌仕立て、骨付き鶏は水炊きや塩味スープといった具合。また夕食は一般家庭と同じように、トンカツ、焼肉、刺身、ステーキといったおかずが並ぶ。しかし、食事はこれだけではなく、空いた時間には若い力士を中心に喫茶店やファストフードで、ハンバーガー、スパゲティ、ピザなどを食べる力士も多い。さすがに体の大きい力士だけによく食べるが、力士にハンバーガーの組み合わせは、どうもしっくりこないような。


低カロリーの精進料理で、お坊さんはお腹が空かないの?

禅宗のお坊さんの食事といえば、いわずと知れた精進料理。
曹洞宗の大本山・永平寺の一日のメニューは、
朝が玄米がゆとごま塩にたくあんのみ。
昼はご飯と味噌汁に漬物。あとはおかずが一品。
夜も、昼のメニューにおかずがもう一品つくだけ。
精進料理には基本的に、卵、肉、牛乳などの動物性食品は
一切使わない。
健康食としてブームになっている精進料理ではあるが、
毎日これだけで厳しい修行をするとなると、
ひどくお腹が空きそうだ。
実際、修行僧になるまで贅沢な食事をしてきた若い僧たちは、
慣れるまでが大変。力が出ず貧血で倒れる人もいるらしい。

 

だから、たまにはメニューに何か追加されることもある。
さすがに肉料理や魚料理とはいかないが、
こんにゃく入りカレー、クリームシチュー、マヨネーズなどは、
ときどきメニューに加えられるという。
また、寺の食事で不足するのはタンパク質、カルシウム、ビタミン類。
このため、ビタミン剤を飲んでいる人も多いという。
いくら、修行中のお坊さんでも、やはり食べるものを食べなくては、
体が持たないようだ。

 


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