食通のためのネタ話

あのボージョレ・ヌーボーがフランスではタダ酒!

「ボージョレ・ヌーボー」というと、日本では入荷を待ちわびて飲む酒、というある種のブランド的なイメージがある。一時期は、爆発的なブームを巻き起こし、入荷をめぐる騒動がマスコミで華々しく報道されたほどだった。

 

ところが、地元のフランスでは、まったく様子が違う。フランスではボージョレ・ヌーボーは二流ワイン。
ボージョレ地方の赤ワインは、早く飲まないとすぐに品質が落ちる・・・
ということから、苦し紛れに考え出された酒なのだ。
わざわざ解禁日を大々的に宣伝するのも、人々の購買意欲を煽り、
一気に売ってしまおうとという狙いがあってのことと考えられる。

 

そんな訳で、フランスではボージョレ・ヌーボーの値段が安い。
それどころか多くのレストランでは、タダで飲める酒である。
フランスの殆どのレストランでは、ボージョレ・ヌーボーが入荷されると、
祝い酒か季節もののサービスといった感じで、タダで客にふるまう。
客のほうでもそれが当たり前にだと思っているので、
わざわざ注文する人はいない。
それが、日本では「初もの」を珍重する風潮が強いため、
人気ワインとなっただけなのだ。