食通のためのネタ話

フランス人は、なぜ気味悪いカタツムリを食用に?

有名なフランス料理に「エスカルゴ」がある。
カタツムリの料理で、日本人にはあまり馴染みがないが、
これがなかなかの美味。
フランスにはエスカルゴの専門店が数多くある。
高級料理のイメージがあるこのエスカルゴ、
実は飢饉対策で仕方なく食べ始めたものなのだ。

 

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フランスは長い間の悪政のおかげで、
歴史上何度も飢饉に見舞われてきた。
そのため、野うさぎやヒキガエル、ザリガニなど、
食料が十分なときだったら、なかなか手を出さない
ようなものまで口にしなければならなかった。
カタツムリもそのうちの一つだったのだ。

 

フランス人のエライところは、これらを少しでも美味しく
料理して食べようとしたこと。エスカルゴの美味さも、
こうしたフランス人の努力が実ったものだ。
もっとも、食用のカタツムリは西暦50年ごろには、
すでに飼育されていて、古代ローマ帝国では美食のひとつとして
盛んに食べられていたというから、エスカルゴが誕生する
基礎はあったわけだ。
また、エスカルゴが普及したもう一つの理由は、
これが一種の保存食料になるためである。
パセリを刻み込んだバターをカタツムリの口に塗っておくと、
何週間も生きているといわれる。そこで飢饉に備えた
保存食料としても大切に食べられたのである。